校内の中央にある緑に囲まれた大きな庭の中で、あたしと麗美はベンチに腰掛けながら、粒入りオレンジジュースを片手に持って、お喋りを楽しんでいた。


 いつもの四人のメンバーで早めにお弁当を食べ終えたあと、クラスの男子とサッカーすると言った牧原と萩原は今現在グラウンドに行っている。



「そうだ。萩原とはどう? うまくやってるのー?」

「う、うん、まあね」



 麗美は頬を真っ赤に染め、ジュースをゴクリと飲んだ。



「もう、キスした?」

「ふっ…」



 麗美がジュースをむせたのか、ゴホゴホッと激しく咳こむ。どうやらジュースが気管に入ってしまったようだ。



「大丈夫? …その様子だとやっぱ、したんだね? キス」



 ニヤッとあたしが笑うと、麗美は更に顔を紅潮させた。



「…うん」



 照れ笑いを浮かべながら小さく頷く麗美は、とても可愛らしい。



「あたしも、早く先輩にアピールした~い…」

「先輩って、うちの兄ちゃんのこと?」