「お待たせー」

「はい、麦茶。お菓子も一応、持ってきた」

「ありがとう」

「サンキュ」



 あたしと牧原は、テーブルにトレイごと置くと、それぞれ麦茶とお菓子を並べていった。


 部屋に戻ったとき、麗美と萩原はごく普通に仲良くゲームをしていた。



 ……てっきりもっとこう……、ラブラブしてるのかと思っていたんだけど。

 まあ、ここ牧原の部屋だしね…。



 思わずくふっと笑うと、萩原が不審な目であたしを見てきた。



「何笑ってんの」

「べ、別に」

「何かいいことでもあった? 戻るまで随分時間かかってたけど」



 …いいこと?



「あー、さっきあたしがグラス割っちゃったから。だから少し時間かかっちゃって」

「へえ」



 萩原は興味なさそうに返事をし、再びゲーム画面に視線を戻した。



 …何なんだ、コイツ。

 あたしをおちょくってんのかっ?



 そして、お菓子を広げて食べつつ、あたし達はコントローラを手にして和気あいあいとテレビゲームを存分に楽しんだ。