ジリジリと照りつける太陽。


 道路のアスファルトを見ると、陽炎のようにもやもやと揺らめいていた。



「暑くて死にそう」

「…何か、みんなでアイスでも食べる?」



 麗美が、あたしに気を遣い提案を持ち掛けた。



「食べたい」



 ――だめだ。アイス食べる前に身体が干からびそう。


 茹だるような暑さのせいで力が抜ける。ダラダラ歩いていたあたしに、萩原は言った。



「松田なんかフラフラしてない? 歩き方、変」



 澄まし顔でそう言った。



「……もういいの、どうだって」



 あたしは、無意識に隣にいる牧原を見た。



 …あんたもか…。



 牧原は、足を引きずらせながら猫背の状態で歩いていた。手はだらんとぶら下がっている。どうやら喋る気力もないらしい。


 六月の半ばに入ってから、今日はいつもより特別暑い。まるで真夏のような暑さだ。


 そんなある日の学校の帰り道、あたし達は駅前通りに寄り道していた。