「でも補習かー。どんまいだね。」

帰り道、みこが呟いた。

「勉強サボるからだぞ!」

「ごもっともです…。」

勉強となるとみこに頭が上がらない。

なんてったってみこは学年10番以内に必ず入る頭の良い子だからだ。

「一緒に遊ぶ時間減るね…。」

みこのその言葉に俺はさらに落ち込んだ。せっかくの夏休みなのに…。

「コー君!あこいいこと思いついた!」

いきなり叫んだみこに驚いていると

「一緒に勉強しよう!」

とみこが言った。

「…え」

みこは頭の良い子だが、人一倍に勉強が嫌いだった。だから勉強を教えてもらった事もなくて、ましてや勉強会なんてみこからの提案は絶対なかった。

「でもみこ…。お前勉強会とか嫌いじゃ…。」

「うん嫌い。」

…こういうとこはっきりしてるよなー

「けど!コー君に会える時間が増えるからあこ頑張るよ!」

「みこ…。」

なんかごめんな。そう言いたかったけど、照れ臭くて。だから…

「…ありがとう。」

いつの間にか俺の口からそんな言葉が出て来ていた。

「…」

みこは何も言わない。

「みこ…?」

顔を覗くと、リンゴのように顔を真っ赤くしたみこがいた。

「みこ?もしかして照れて…「うるさいうるさいうるさーい!!!不意打ちでそういう事言うんじゃありませんっ!!!」

俺の言葉遮るくらい照れてんのかよ。

「ぷっくくく…」

「わ、笑うなー!」

俺もみこも口を大きく開けて笑いながら歩いてた。

俺彼女がいない時に、こんなカップル見たら

(バカップル!近所迷惑なんだよ!)

って心の中で思ったかもしれねーけど、そうやって周りにバカにされたとしても今この幸せな時間を壊したくない。

そう思った。