「あんた誰?こんな所で何やってんだ?」

そう聞かれて、なんて言ったらいいのか慌ててると、後ろから声が聞こえた。

「おー!リュウ!!おっせーぞー!!ん?その子ダレ??」

「おう。知らね。なんか居た」

なんか居たって…………。

訳もわからずに呆けていると、また声が聞こえた。

「あー!みこと〜!!!みことじゃん!なんだ来てたなら言ってよ〜!!」

茶髪に白色メッシュで、フリフリのミニスカートをはいた女の子が私の名前を呼びながら駆け寄って来た。

「もしかして…………凪?」

「そーだよー!凪だよー!久しぶりだね!みこと!」

その女の子は凪だった。

中学の頃とは違い、髪も染めてピアスも開けて、少しだけ化粧もしていた。

私の知ってる凪と違う…………。

それもそうか。

変わらない方が変だよね…………。

見た目は変わっていたけど、中身はあまり変わっていないみたいだった。

「なんか凪、変わったね」

「凪は全っ然!変わってないねー!」

相変わらずズバズバと言ってくる。

悪気はないはずなんだけどねー………。

「あ!そうだ!紹介するねー!」

そう言ってグイグイと引っ張り連れて行く凪。

相変わらず力強っ。

「この人が前メールで言ってた彼氏の、澤田翔太(さわたしょうた)くん!」

そう言い、紹介してくる凪。

彼、澤田翔太さんは、黒髪に白色メッシュで凪とお揃いの青色ピアスをつけている。

顔立ちも良いが、背が低い。

凪よりかは高いけど。

「それでこっちが、柳隆人(やなぎりゅうと)くん!暴走族、黒龍牙箕の総長サマだよ〜!」

そう言って隣の男の子も紹介してくる凪。

総長サマだったんだ…………。

意外。

「んでこっちが、前に話した親友の夏川美恋兎(なつかわみこと)!!」

「ど、どうも………」

いきなり紹介をふられ、簡素な挨拶をしてしまった。

前に話したって、一体何を話したんだろう…………??

「へえ!君があの、ミコトちゃん!」

あのって何だろう??

「ふぅん。…………なんかつまんなそうな顔してんな。話を聞いた時はもうちょっと明るい子だと思ったんだけど」

すみません、暗くって。

つまんなそうな顔してて。

あ、そう言えば凪に苗字変わった事言ってなかったな。

……………でもいっか。

あの人の苗字、名乗りたくないし。