「さやかはさ、何時も男の子とたくさん話てて、私達の好きな人も知ってるくせになんで仲良くするの!」

私は男女関係なく誰にでも明るく話しかけて一緒にふざけたりとかそういうのが好き。
なのになんでそれが駄目なの?
しかも多勢で私を囲んで言ってくる。
「...。」
ああ、なんて言えば良いのだろうか怖いな。
勝手に手が震える。
「もういいや、呆れた。」
そう友達だった人に言われた。

「さやかももう帰るでしょ?」
えっこの人達、今迄私の嫌なこととか多勢でかかってきたのに一緒に帰るつもりでいる。
「...私はこれ纏めたら帰る。」
「あっそ。じゃあねー」

「なんなのあいつら、気持ちわるい。」
散々言ってきたくせに一緒に帰ろう?
ふざけないでよ。

...1人になったせいかさっき迄堪えてた涙がとめどなく溢れてきた。

「...止まってよ、あいつらなんかの事で泣きたく無いのに。」

でも明日また学校に行ったら何を言われるんだろう。平然とした態度なのだろうか。
怖いな、そう思いながらも一ヶ月笑顔を絶やさず通い続けた。

「今日は暖かいな」
通学電車、座りながらまた今日も笑ってなきゃいけないのかと思うと胃が痛い。

ちょっと遠くに行っても、サボっても、帰らなくてもいいや。
私は学校に行くのも家に帰る事も辞めようと思った。

電車に揺られて1日過ごす。
夕方位に定期内の駅で降りハサミを買った。
これでロングの髪の毛をショートまで短くした。

「どこで死のうかな」
あ、私死にたかったのか。

ふと出た言葉に涙が出てきた...
手を切ろうにも上手く切れない
首を切ろうにも怖くて怖気ずく
なんで死にたいのに躊躇ってるんだろうか。

夜中になり、ずっと電源を切っていた携帯の電源を入れてみた。

「...お母さん。」
開いて見ると大量のメッセージが来てた。

(辛いのなら学校に行かなくていい、転校してもいい、だから帰ってきて、愛してるから。)

ずっと堪えてた者が解けていく。
私は声を出して泣いた。

「あぁ...わた、私...死のうって、死にたいって思ってるのに...」

「お母さん、真っ暗で怖いよ...たすけて...。」

小さい時からの仲のいい、ひまりからもメッセージが来ていた。

(さやかが色々悩んでるの気づかなかった、ごめん。
悩んでるならちゃんと話聞きたい、話したくなかったら話さなくてもいい。
だから会いたいよ)

「私、私...帰りたいよ。」
これでもかというくらいに私は声を上げて泣いた。

朝になって私は帰りたいという思いと帰れないという思いもあっ途中下車した駅のホームに向かっても歩けずにいた。

「やっぱりもう無理だ...。」

駅とは反対に歩き出そうとした

「さやか!!」

「なんで...。」
ひまりが私の名前を呼んでいた。

「やっと見つかった…!」
「ひまり、何でこんな所に」

「さやかに会いたくて探してた。
心配したんだからね。」
そう言った彼女は私を抱き締めた。
震えていた。

「ひまり、私...」

「少しさやかのお母さんから話は聞いちゃったんだ。
気づいて上げられなくてごめん。
もっと、愚痴言ったり頼ったりもしてよ。」

「...うん、ごめんなさい。
見つけてくれてありがとう。」

「いつでも見つけてあげるわよ。」
私はいい友達を持ったな。

もっと早く頼れば良かった、辛いって、怖い、助けてって。

ひまりと一緒にお母さんの元に帰る。
泣きながら抱きしめられた。
幼馴染みにもひまりにもたくさんの人に迷惑を掛けてしまった。

なのに、誰1人私を叱らなかった。
みんな「もっと頼っていいんだ。」と私に言ってくれた。

もう少し人を頼れるようになりたいと思った。
一人で抱えきれなくなる前に。

凄く怖くて、気持ち悪くて、どんなに辛くて悲しくても傍に居てくれる人は居る。
必ず誰かが私を見つけてくれる。

ありがとう。