〜♪ スマホとにらめっこしていると、ディスプレイが着信画面に切り替わる。 そこには【洸くん】と表示されていた。 …出た方がいいよね。 「…もしもし…」 『やっと出た。今家の前にいるんだけど』 「え!?」 今!? 時計を見れば夜の11時を過ぎている。 慌ててカーテンを開けてベランダにでてみると、洸くんが家の前で立っていた。 私に手を振る洸くんの顔は暗くてよく見えない。 「なんで……っ」 『こっそり家出てこれる?』 あたしはゆっくり強く頷いて、急いで支度をして忍び足で玄関へ向かった。