駅前のカラオケに着いて杏に事情を話すと、杏は意味ありげにため息をついた。 「勘違いだよ、それ」 「そうなのかな……」 「そうそう。勘違いだから。事情はまだ話せないけど、明日わかるから」 ……明日? 「とりあえず今日はたくさん歌って、洸くんのこと忘れよ!!」 私にマイクを差し出す杏。 ……そうだよね。 私、杏のこと信じる。 私はおさまっていた涙を拭って、マイクを受け取り立ち上がった。