…たぶん、あいつ。




「…おい、出てこいよ」




俺がそう言うと、木の向こうから出てきたのは、一人の女子。




「ご、ごめんなさい!!その、悪気はなくて!」




慌てて謝る女子の横を通りすぎると、慣れたように俺の少し後ろを歩く。





「あれ?今日は何も言わないんですね」



「言ったところで、どーせ着いてくんだろ」



「えへへ、バレちゃいましたか」





こいつに付きまとわれて、一ヶ月。



最初はうざくてしょうがなかったけど、何を言っても聞かないからもう諦めた。