「…迎えに来た。」






俺がそう言うと、新奈ちゃんは顔を歪ませて下を向いた。






「う〜〜っ…」






肩を小刻みに震わせて泣く新奈ちゃん。





片手で新奈ちゃんの頭を引き寄せて座ったまま抱きしめた。





すすり泣く新奈ちゃんの背中をさすりながら周りを見渡す。






こんな暗くて薄気味悪いところに1人で…。






「……ごめん、遅くなって。」






俺は、抱きしめる腕に力を込めた。






「帰ろう。家に。」





俺の胸の中で、小さく頷いた。