* * * 「くそ…。」 全てを聞き終えて、急いで向かった体育館倉庫。 ドアが開けられないように掛けてある棒をどかして勢いよくドアを開けた。 俺は、体育座りしてうずくまっている新奈ちゃんの前にしゃがんで肩に優しく手を置いた。 ピクリと反応する体。 ゆっくり顔を上げた新奈ちゃん。 「洸くん……?なんで…」 そう言う新奈ちゃんの目には、今にも溢れそうな程の涙が溜まっていて。