「マジでなんなのアイツ。」






着替え終えてトイレから出ようとした時、外から女の子たちの声が聞こえて、手を止めた。






「あたし、千歳くんのこと好きだったのに」







どくん



心臓が嫌な音をたてる。





もしかしてさっきの紙ってこの子たちが…






「そこまで可愛いってわけでもなくない?アイツのどこがいいんだろーね?

絶対、芽衣子の方がいいじゃん」






芽衣子…




同じクラスの神崎 芽衣子さん。

いつもよく千歳くんといる女の子だ。







目立つタイプで、私たちのクラスの女の子たちの中心にいる、そんな子。






ということは今一緒にいるのは神崎さんとよくいる高梨さんと小宮さんの3人だよね…。






「しかも昨日の放課後に洸くんとも話してたらしーよ。」







…まずい。



この状況でこの発言は火に油を注ぐだけだ