どんよりしたまま、1日が終わって。 放課後。 「やっぱり、新奈なんかあったでしょ。」 「な、何もないよ!」 「ほんとに?」 「ほ、ほんとだって。そろそろバスの時間じゃない?」 「え、もうこんな時間!?ごめん、あたし帰るね!!」 「うん。バイバイ。」 杏とわかれたあと1人廊下を歩いていると。 「もう洸なんて嫌いっ!」 空き教室から泣きながら出てきた女の子は、一瞬私に目を向けると、走って通り過ぎた。