* * * 「……な、新奈」 前から呼びかけられて、はっと我に返った。 顔を上げると、杏が心配そうに私を見ている。 周りを見渡せば、いつの間にか授業が終わってたのか休憩時間になっていた。 あれ…?もう終わってたんだ…。 「大丈夫?抜け殻状態だったけど。」 「……大丈夫。」 小さく首を振る。 「…ならいいけど。でもなんか悩みごとがあったら言ってよね。」 「うん…。」