「ふーん。そこまで言うなら教えてあげるよ」




洸くんはネクタイを緩めるとゆっくりと顔を近づける。




わ、私キスされる!?



キスは好きな人とするのが夢だったのに!!




ギュッ、とめをつぶる。




でもいつまで経ってもキスはされなくて。




恐る恐る目を開けると目の前には家の鍵を顔の前に持った洸くん。






「泣きそうな顔してる女のコにキスするほど俺、最低じゃないから」





そう言うと、『はい。鍵』と言って渡して私から離れた。