ゴール近くに行ってみると混み合っていて、私はその隙間からなんとか一番前にたどり着いた。 ふう。 ここならよく見え… 「…あ」 右隣を横目で見ると千歳くんが。 千歳くんも私に気づいたらしく、目を大きく開けた。 「桐崎くんの応援ですか?」 たしか、桐崎くんも杏と同じ借り物競争だったような…。 「…そうだけど。」 「あ、やっぱり。」