これでもかってくらい早くなる鼓動。 熱を帯びる私の顔。 洸くんの顔がすぐ真横にあって。 だ、だめだ。これ以上このままでいたら私おかしくなる。 「も、もう一人でできますから!」 パッと手を払って逃げるようにリビングを出た。 …絶対洸くん変なやつだと思ってるよね…。 まぁほんとに変なんだけど…。 まだ心臓鳴り止まないし。 それに…つかまれた感触がまだ残ってる。 …まるで私が洸くんのこと好きみたい。 私は考えを掻き消すように、頭をぶんぶんと横に振った。