「へぇ〜そんなに健くんってかっこいいんだ」


「もうそれはそれは!!たとえばこのシーンとか…………えっ!?」





マンガから顔を上げると、すぐ真横に洸くんの顔が。




そしてあちこちから女子の黄色い声援が聞こえる。





「そんなに驚かなくてもいいのに」





ハハッと笑う洸くん。




「な、ななんでいるんですかっ!?」





ガタッ、と音を立てて立ち上がった。





「あ、これ忘れてたよ」




そう言ってポケットから出したのは家の合鍵。




「えっ、鍵?」




杏は鍵を見て首をかしげた。