千歳くんって、謎だ。 甘い物嫌いなくせにシュークリーム買いに行くし、 かと思えば、自分のじゃないって否定するし …うん。やっぱり謎だ。 待ってる間、適当に周りを見渡していると香ばしい香りが鼻をかすめた。 あれれ、この匂い… 後ろに振り向くと、そこには… 「えっ、千歳くん?」 食べやすいように持ち手が包まれた大きめのシュークリームを私につき出す千歳くん。 「やる」 「な、なんで私に?」 「それは…」 千歳くんははぁ、とため息をつくと私から顔を背けた。