『じゃあなんで、僕とは裏向きでも友達になってくれたの?』



「それは…。」



『僕は、君が何を見てきたのか知らない人間だよ。
ただの日本の高校生。

少しピアノを弾けて、君のお父さんのファンで、目立たない男子。
そんな僕と友達になったのには…

理由があるんじゃないの?』



“1人でいたい”といったのに…なぜ僕と一緒にいる?


なぜ僕と連絡を取り合う?



本当に聞きたい事は聞かない。



きっと音羽から、僕が望む答えは返ってこないだろうから…



『…本当は、心を許せる友達が欲しいんだろう?

僕は男だから、女の君とは話せない事だってある。君もだろう?

君が何を見てきて、壁を作るようになったのか…深くは聞かないよ。

言いたくなったら言えば良い。言いたくなかったら言わなくて良い。

僕は君が心配なんだ。』



君を大切に思うから…



君の幸せの力になりたい。