智弘が……?


私のことが好き……???



「はぁ~。

もう今は何も考えねぇで、泣け。
それからの事はゆっくりでいいから。」



そう言われて、私は智弘の優しさに甘えた。



智弘…ごめんね。


私きっとたくさん智弘のこと傷つけた。



それでもいつも私のこと叱ってくれて。


好きだなんて言ってくれてありがとう。




「ちひ…ろ。

ありがと…」



「おう。


あと、お前…浴衣も髪型も似合ってんじゃん

あいつのためって思ったら腹立つけど、めっちゃ可愛い。」



…可愛い!?


いつもの智弘の口からは信じられないような言葉に私は涙も引っ込んでしまった



「お前…ほんと単純だな」


そう言って智弘は笑って私の頭を撫でる



先輩の手より少し細くて小さい綺麗な手だな



私はこんな状況でも吉岡先輩と比べてしまう自分に嫌気がさした。



先輩と見るはずだった花火は、なぜか智弘の腕の中で、切なく散る音だけを聞いて


私はただ涙を流した