「ねぇ未緒……
ほんとに直接渡さなくていいの??」
「うん。だって、先輩に私の気持ちバレたら重荷になっちゃうかもしれないでしょ??
せっかく一緒に帰れてるのに。」
「そーかなぁ。
私がこんなこと言うのもどうかとは思うけど、先輩、未緒からお守り貰ったら嬉しいと思うけどねぇ。
だって、今日だって、先輩が乗る電車の時間、教えてくれたんでしょ???」
そう。昨日、先輩が帰りの電車で、
「実は明日は大会前日だからさ、19時代の電車で帰るんだよね。
で…てんぼちゃんはやっぱ、いつも通り??
よかったらだけどさ、明日、19時代に乗らない?」
なんて言ってくれた
そんなの断れるわけないじゃん。
私は先輩にまんまと振り回されて、今日は19時代の電車に乗って帰る。
「でもね?それとこれとは別ってゆうか…
やっぱり先輩は恋愛感情じゃないしさ…」
「ふーん。まぁ、未緒がそれでいいなら、いいんだけど…。」
舞衣はあんまり納得してない感じだったけど、私はお守りに
『明日、頑張ってください!応援しています』
とだけ書いた名無しのメッセージを添えて先輩の靴箱に入れた。


