梨捺は色んなものと戦ってたんだよな。



人に気を遣うより遣われる側だと思うやつが多いけど、梨捺は気を遣われながらも自分だって気を遣ってる。



本当は心優しくて、誰よりも人を傷つけることが嫌いだ。



自分の欲しいものには妥協しないけど、いつも人のものなら我慢してた。



そんな梨捺が人のものでも欲しかったのが今回の彼氏。



そう思うと、梨捺をこんなにも傷つけた彼氏を俺は許せなかった。




少しして梨捺がこれの首に腕を回して頭をあげた



「ねぇ……遥人。


…キスして?しようよ。」



そう言って目を潤した梨捺の右手は俺の頬を撫でる



長年好きだった梨捺がそう言っている。


こんな日をいつも待ち望んでいた。



「遥人…


私のこと、好きでいてくれてありがと。

私、気づいてたよ…遥人の気持ち。


でも、遥人のことだけは傷つけられなくて…



だけどもう今ならわかる。
私のこと、いちばん理解してくれて、想ってくれるのは遥人だよ…


ねぇ。幼なじみって関係、一緒にこえよ??」