ホテルに着いて、急いで梨捺のいる部屋まで走った



部屋のチャイムを押すと、梨捺が出てきた



「遥人……」



「どうしたんだよ」



「振られちゃった…。
もうすぐ結婚する本命の彼女さんの所、行っちゃった…。


結婚して身を固める前の火遊びだったみたいね…


私…そんな人に本気になっちゃった…。」




梨捺はそう言って俺の胸に頭を埋めて泣いた。



浮気の辛さなんて俺には全て理解できるわけじゃないし、抱えきれない。



でも、コイツはあの日からきっと傷ついて、自分を責めてきたんだよな…。



「今日だって…会場には行けないから。

だから…花火が綺麗に見えるこの部屋を予約して…。

でも彼は最初から今日で終わりにするつもりだったのよ…。」




泣いている梨捺の向こうには窓から綺麗に花火が見えていた