「ボクも信じられない!ボクが人間になるなんて!でもボクは正真正銘もげ太で…これは夢かにゃ?」




やったー!やったー!と騒ぐボクに、ご主人様が静止する。




「おいもげ太!よく聞け!何がどうしてこんな事になったのか…。信じられんが、どうやら“奇跡”ってやつが起きたようだ。でも、お前は完全には人間になれなかったみたいだぞ。」




「ん?」




ご主人様が何を言いたいのかさっぱり分からないボクは、首を傾げる。




そんなボクに突き付けられたのは、人間世界の言う鏡というやつだった。




「ほら見てみろ。」




ご主人様の言う通り、ボクはじーっと鏡を覗き込んでみる。



「はにゃっ!!?」




ご主人様にはない、立派なフサフサの猫耳。





引っ張ったら取れないかと試してみるけど、どうしても取れない。





おまけにお尻から伸びた長い尻尾まで…。