『あ…では、ごゆっくり…』
緊張するー…
非現実的すぎて私の思考回路は停止寸前
同じ空気吸ってるってだけで
逆に窒息しそう…笑
マスターのお手伝いしながら眺めるくらいで
ちょうどいい。
……もはや感覚が狂い始めてます。
『え…一緒に飲まないの?』
『んっ?』
『ん?』
ビールを置いて去ろうとする私に楓瑞樹は王子スマイルを向ける
……一緒……に…?
そしてその笑顔は…私に向けられてるのでしょうか…
『え…えっ…と』
『マスターすみません』
挙動不審になる私をよそに、楓 瑞樹はマスターを呼ぶ
『はい』
『予約してたんですけど、大丈夫ですよね?』
『もちろんですよ、ほら理咲子』
『へ?!ちょ…』
マスターに腕を引っ張られ引き寄せられる
すると耳元でマスターが
『今日はもう上がってるんだから、そこ座って乙女になっとけ』
『なん…』
『はは…こんなチャンス二度とねぇーぞ。ごゆっくり』
そう意地悪に笑うマスターはカウンターへと戻っていった
楓 瑞樹が本当に私を……予約した…?
そんなこと……
『ほら理咲子ちゃん』
またまた向けられる楓瑞樹のスマイルは殺人級で
名前まで呼ばれちゃったもんだから
私はもう…何がなんだか分からなくなって
『…よろしくお願いします』
何をよろしくするのか…
本当に…今の私は
夢の世界に迷い込んでいるよう…
『ふふ…よろしく』
『…///』
近いし…また笑われてるし…
普通に息できないし…っ!
こんな近くに楓瑞樹がいるのが信じれなくて、ただただ顔を赤くして呼吸を整えることしかできない私
『名前は理咲子ちゃんだよね?』
『あ、はい神田理咲子といいます』
『改めて、楓のマネージャーの今井です。すみませんね、突然で』
『あ…どうも…いえ、ありがとうございます』
楓 瑞樹のマネージャーさん、今井さんも凄くカッコいい
余計に緊張が増す
『瑞樹ね、前にココ使わせてもらった後からズット話ししてたんだよ。』
え?
話って…
『久々に良いお店に出会えたーってね』
『あぁ、そ、そうなんですね』
…っバッカヤロー!
お店のことに決まってんだろ…っ
べつに…私のことなんか…べ、べつに…
『かわいい店員さんもいたしね』
『…っ』
『今井〜何言ってんだよ』
『はは!ごめんごめん。でもこの子本当に面白いね。瑞樹が言ってた通り』
『でしょ』

