突然後ろから呼ばれ、私は座ったまま振り返った
ここは&Rの裏側
路地裏になるため、人が通ることはほとんどないはず
『…はい?』
『ぉお、やっぱり。ここで何してるの?』
『………』
開いた口が塞がらない
振り返ったまま、瓶を片手に目だけパチクリパチクリ
『ふふ…大丈夫?もしかしてまた驚かしちゃったかな。事前に電話はしたんだけど聞いてなかった?』
そう優しく微笑む御方は
『す、すみませんっ…いいいいらっしゃいませ!お話は聞いておりますっ』
『ははははっ…ほんと独特だよね理咲子ちやん』
正真正銘の楓 瑞樹だ
か…かっこいい……
なんか光ってます……?
『あ、中どうぞ!ん…?というかなんで裏に…』
『ここのマスターさんが裏からお入りくださいって。多分俺たちのこと考えて言ってくれたんだと思うけど』
……いや、違う
絶対私を驚かすつもりで仕組んだんだ
そもそもこんな時間に分別ってしたことなかったし
……マスターーー!!
もっと余裕もってお迎えしたかったのに…
また笑われたし…///
カッコいいから何でもいいけど…
『こんばんは!楓のマネージャーの今井です。』
『こんばんは…です』
楓瑞樹の後ろからひょいっと顔を出してきた男性
この人も前にいた人だ
マネージャーだったんだ…
ドキドキのまま裏口から中へ案内する
後ろに楓瑞樹がいる
ドキドキがうるさいよ…
『マスター”裏口から”来られました』
『あ、どうも、いらっしゃいませ。』
私の嫌味は見事にスルーされ、マスターが愛想よく振る舞う
『こちらへどうぞ。何にされましょう』
『じゃあビールで』
『かしこまりました、理咲子お願い』
『あ、はい』
他のお客さんはいない
けど万が一のため、奥の半個室の席へとマスターが案内した
ビール2つを持って席へと運ぶ
『…お待たせしました』
『どうも』
なぜか息を止めてしまう私
『ごめんね突然で』
『え?あ、いやそんな…とんでもない』
すごく真っ直ぐ見てくる楓瑞樹
『来たくても、なかなか来れなくて』
…うわぁ…
私…話してる
しかも
来たかった…なんて
ちゃんと覚えてくれてたんだ…やっぱり

