『ここの責任者の方は…』
『私です』
『今テレビの取材で周辺回ってまして、よろしければここも取材させていただきたいのですが…』
『ちょっと確認しますのでお待ち下さい』
体にたくさんの荷物を抱えた男性とやりとりを終えた店長は奥の事務所へと入った
『ち、ちょっとっ!ガチで来るじゃんっ!!』
『う、うん…ヤバいね…』
奈々ちゃんと私は状況をすぐに理解した
店長が事務所から出てきて男性に『大丈夫です』と伝えると、店の外で団子状態になっていた集団が徐々に店へと入ってきた
カメラマンに音声さん、荷物を抱えている複数のスタッフさん
そして……
『…うわぁ…かっこいい…』
RED.Mtのメンバーが入ってきた瞬間、周りはもうくぎづけ……
私も.……視線は
楓 瑞稀……
さすがトップアイドル
空気が変わるというか…この世界が華やいで見えるよ…
ドキドキが止まらない
仕事なんてできっこない
私と奈々ちゃんは仕事なんてそっちのけでRED.Mtに見惚れていた
淡々と収録が進んでいく
店長がオススメの洋服を紹介したり、来店のお客様へインタビューされたり
RED.Mtのメンバー3人が個々に洋服を物色し始めたり…
ちゃっかり確認していた奈々ちゃんの話によるとお昼の情報番組の収録らしく、RED.Mtはゲストでの登場なんだとか…
今は、あくまで店員なわけで…
あまりにも見惚れてフリーズ状態なのも不自然極まりないわけで…
さすがに収録の邪魔になるのではないかと判断した私は、慌てて業務に戻った
お店のレジで接客中のこと…
『収録とかすごいですね!まさか会えるとは…』
お客様が興奮気味に話しかける
『そうですよね。みんなびっくりしてると思いますよ。』
『いい日に来た♡最高の思い出ができました。また来ますね』
『それは光栄です♪またお待ちしております』
購入品を受け取り幸せそうに帰って行くお客様へ深々と頭を下げてお見送り
顔を上げ、振り返った時
っっ!!

