ヒミツ恋 〜奇跡と運命〜




『いらっしゃいませ〜どうぞご覧くださ〜い』


季節は春


カラフルな洋服に囲まれながら笑顔で接客中です


日中はアパレルショップでアルバイト


ここはレディースもメンズもキッズも取り扱っている国内でも1位2位を争うほどの人気チェーン店



本日のわたくしの衣装はイエローのオフショルにデニムのワイドパンツ


衣装と言ったけど…自分で言っちゃったけど…


これ…お店のを自腹で買って着てます…


お給料の半分以上は洋服代で消えていくのです…



なんて…呑気に悲しい現実を話している場合もなく、今日もただただ忙しくお客様の相手をする



あれからあっという間に月日は流れ


楓 瑞稀との奇跡の日から2ヶ月が経った




”またね、理咲子ちゃん”



もちろん今まで&Rにも来ることはなかった



最初は、本当に来るかもしれない


そう思うと胸が騒がしくなった



来なくて当たり前だ…


”またね''


……なんて約束でもなんでもない




ただの挨拶にすぎないんだ……




ただでさえ楓 瑞稀はトップスターなんだから、こんな一般人との時間なんて忘れてるに決まってる…



…………きっとそう。





お客様の試着した服を棚へ直していると



ざわざわ…ざわざわ…


何やら外が騒がしいことに気がついた



お店のお客様も店員も店内からガラス越しで外を伺っている


『ねぇねぇ外、人が一気に増えてない?』


そう私に話しかけてきたのは、ここで働く仲間の西山奈々ちゃん


奈々ちゃんとは働き始めた時期が一緒で、同い年ということもあって、すぐに意気投合



奈々ちゃんはちっちゃくて愛らしい子で尋常じゃないくらいモテる


常連のお客様の中には奈々ちゃん目当てで来る人も多数…


モテるからといって気取らずフレンドリーな性格だから余計好かれるんだよね



……とまぁ奈々ちゃんの紹介はひとまず置いといて…



確かにお店の外が一気にざわつき始め、みんなが向いている方向も一緒


『…なんだろうね…』