ああ、そうか。
二人は私が耳が聞こえないことを、
知らなかったのか。
母は、私が耳が聞こえない理由は、
言わなかった。
私は、鞄からノートとペンを出し、
なにかを書いて、二人に見せた。
『はじめまして、聖歌です。
小学六年生でした。
よろしく、
恭おにぃちゃん、
雷おにぃちゃん』