ふいっと顔を背けた晴登くんは本当に照れているようで、その横顔に思わず胸がキュンとする。

気が付くとおばぁちゃんの家の近くまで来ていて、「じゃぁまた明日な」って手を振り帰って行く彼を呼び止めた私は、さっき言いそびれたことを大声で叫んだ。


「晴登くんー! 晴登くんが人のオーラを見ることができるのは、きっとそれだけ心が澄んでいるからだと思うよ。誰にでもできることじゃない、すごい事だよ!」




晴登くんは、ちょっとびっくりしたように目を丸くして。

それから顔をくしゃくしゃに緩ませて笑った。




気が付くと目で追っていて、

だけど、目が合うと恥ずかしくて。

話しをしたいけど、上手な話は何も思い浮かばなくて、

つまんない子とは思われたくなくて。

何気ない仕草に胸がトキめいて、

触れられたら、叫んでしまいそうで。

名前を呼んでくれたら嬉しくて。

おばぁちゃん、教えて、これが恋というものなの?




【8月11日 彼のことが好きになったかもしれない】

今日はミナツの森に2人で行った。

途中、川を渡る際に手を握った時、胸がドキドキした。

彼の心の重さを知った。

私の心の重さを話した。

嬉しかった、もっともっと知りたいし知って欲しい。

この気持ちは、きっと恋だ。