「なんか、子どもみたいにわくわくする」

わくわくをとっくに通り越した激しい緊張で、手に汗を握りながら彼女の隣に寝転んだ僕は、必死に意識を空に光る星に向けた。

あれが夏の大三角形。ベガ、織姫の星。織姫、という言葉に彼女が頭に浮かぶ。

・・・ダメだ。全く集中できない。

物音を立てないように、そっと彼女のほうへ視線を移すと、いつの間に見られていたのか、透明で純粋な瞳とぶつかった。

恥ずかしさで、頬が一気に紅潮したのがわかった。これではまるで、恋をしている中学生のようではないか。

夏湿った夜風が彼女の前髪をくすぐるように浮かび上がらせ、そこから白くてきれいなおでこが覗いた。