南川 巴。最悪です...
目の前にはとても怖そうな人が立っていてとても怒っていらっしゃる。
「あのぉ、すいませんでした!」
悪いのは私なんだけどね、少し肩がぶつかっただけでこうなるとは...
「謝ればいいってもんじゃねぇだろ?おい、聞いてんのかぁ?」
「すいません!!」
(うー、誰か助けてー)
「すいません、俺の彼女が迷惑を掛けてしまって。次からは気をつけるんで今日の所は見逃してやって下さい」
私を庇うように前に出てくれた男の人がそう言ってくれた。私は、胸がギュッと苦しくなった。
一目惚れだった...

「逃げるぞ!」
「...えっ!」
私の手をゴツゴツした手が引っ張っている。.....しばらくすると河原まで走っていた。
「お前、馬鹿なのか?普通考えろよ」
「助けて下さってありがとうございます!いきなりですが、私...あなたに一目惚れしました!」
いきなりの言葉に名前も分からない男の人は目が丸くなった驚いている。

「悪い。俺、好きな人がいる。しかも、会ったばかりの人とは付き合えない。」
真剣な顔で私にそう言ってきた。
「だ、だよね!ごめんねー変なこと言ってしまって!私の名前は南川 巴。高校1年生です!今日は巻き込んでしまってすいませんでした。」
私は、赤くなった顔を見られないように俯きながら話した。
「俺は、一条 ルイ。お礼をされるほどの事はしていない。」
私は、もうこの空気に耐えられず逃げてしまった。