「琥牙くん?」




声をかけてもまったく起きない。




だめだ!




このままじゃ私の心臓が持たないっっ!!






中から抜け出そうとモゴモゴするも……





強い力で抱きしめられてるから抜け出せない。




もうほぼ密着状態。






目の前には彼のゴツゴツした体。





上を見上げると綺麗な寝顔。






「ん……どこいくんだよ……」






寝言?






その言葉と共に、さっきより腕の力が強くなる。




わわわっ!



くるしいっっ




それよりも、心臓がドキドキではち切れそうだ。






「琥牙くん!!!起きて!ねえ!!!おーきーてー!!!」



体を揺さぶっても、叩いても、起きる気配はない。





琥牙くーーーん。






これはもう絶対起きない……
しょうがない……寝よう。








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