初めて名前で呼んでくれた…
嬉しい…
心の底から嬉しい感情が溢れ出てくる。
「おい!聞いてんのか?」
「あ、ごめんね。大丈夫だよありがとう」
ニコッと笑って立った。
その時私は琥牙くんの顔が赤くなってたのに気が付かなかった。
「俺の横歩け」
「はい…」
さっき絡まれたのは私のせいだ。
歩くペース合わせなきゃ…
しばらく歩いても足が疲れてこない。
もしかして、私の歩くペースに合わせてくれてる?
優しいな…
「悪かったな」
「え?何が?」
「その、なんだ。やっぱなんでもねえ」
なんとなく、琥牙くんが言いたいことはわかった。
「フフ」
「なに笑ってんだよ?気持ち悪ぃ」
「え?!」
やばっ声に出してた!!
気持ち悪いなんて言われたし…
ちょっとショック。
「ハハッ冗談だよ」
「…」
彼はクシャっと笑って私の頭を撫でた。
ードキッ
今日おかしい。
私も琥牙くんも。
いつも私に冷たく接するのに、今日は優しい…
それで琥牙くんの行動にドキドキしっぱなしだ。
私…琥牙くんのことが好きなんだ…

