え?






今目が合った?







「ねえ、今あの人こっち見た?」




舞唯ちゃんは琥牙くんのことを指差しで
聞いてきた。





「そんなわけ〜私達の事知らないのに~」

「そうだよね。でもあおちゃんの方見てた気がしたんだけどな…」

「まさか~気のせい気のせい」





確認するためにもう1度蒔田くんを見た。



何回見ても目が合う。






なんで?



どうして目が合うの?





……私の自意識過剰?





「きゃ~蒔田くん~こっち向いてぇ~!」

「キャー!シュート決めた!」





そうだ。





こんな私のことを見るわけがない。


女の子達の黄色い声が気になってるんだ。





気のせいだよきっと。






そう自分に言い聞かせた。





それでも彼のプレーに引き寄せられる。





わ。
すごい…。





ドリブルからシュートまでの流れがすごく綺麗。

そんな彼に見とれていると


「あーおちゃん!誰見てるの?」

「え?!いや、誰も見てないよ?」




いきなり声をかけられてびっくりした。




誰も見てないだなんて嘘だけど…





舞唯ちゃんは「そう?」と言って、私の顔を見てはニヤついて、また試合を見た。