「り、律哉先輩…」
かといって、このままキスをされるのも困るから声を絞り出してそっと名前を呼んだ。
すると、先輩はさっきのイジワルな表情とはうってかわり、満足したように優しく目を細めて私の瞳を真っ直ぐ見つめた。
「ん?なに?」
そして、まるで猫のように言う先輩は本当に私の心臓を刺激するのが得意らしい。
「何も無いです!」
「ふっ…よくできました」
先輩が小さく笑ったと思った瞬間、唇に感じた温かくて柔らかい感触。
え……?
何が起きているの?
「じゃあ、おやすみ」
先輩はそれだけ言うと目を閉じてしまった。
まだこの状況を理解出来ていない私は人差し指で自分の唇に触れながら先ほど起こった出来事を頭の中で整理する。
先輩が微笑んだと思ったら先輩の顔が私の顔に近づいてきて、そのまま…先輩の唇が私の唇に優しく触れた。
そこでやっと私は理解した…先輩にキスされたのだと。



