【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「ご、ごめんなさい…っ!」


「まあ、とにかく…」



先輩はそう言ってしゃがみこみ私の足を触った。



「ひゃあ…!な、何するんですか!?」


「何って……夜に向けてのレッスン?」



ニヤリ、と笑う先輩はもう悪魔に思える。
絶対、先輩の前世は悪魔さんだったでしょ!
あ!それかオオカミさんか!!


意地悪だし、とんでもない人だなぁ…と改めて感じた。



「や、やめてください…!触らないで!」


「じっとしてろよ。
ちょっと痛いから我慢しろよ」



えっ…!?
痛いの!?そんなのやだよ!!



「いったっ…!」



先輩はいつの間にか怪我のところに貼られていた絆創膏を剥がして、そこに消毒液をかけていた。


それが、傷口に染みてズキズキと痛む。
先輩の方を見ると、真剣な顔して私の傷口に絆創膏を貼ってくれていた。


いつの間に救急箱なんて持ってきてたの…?



「はい、終わり。
まあ、夜のレッスンっつーのは嘘だから」


「ありがとうございます。でも、どうして?」


「これ、貼りに来たんだろ?」



先輩は救急箱を棚にしまいながら言った。


覚えてたんだ…私が絆創膏もらいにきたってこと。
なんだかんだいって先輩って実は優しいのかもね。