【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「どうしよう…」


「もう最終下校の時間だ。
だから、もうここには誰も来ない」



先輩は時計を見ながらそう言う。
時計は17時30分をさしていた。


うちの学校は17時30分になると生徒は全員校舎を出ないといけないことになっている。



「えっ…それって…」


「そう。俺らは明日までここを出られないんだよ」



えーっ!?
それってもしかして…
ここに泊まらなきゃいけないってこと!?



「う、嘘……」


「嘘ならどんなによかったか。
まだ保健室なだけマシじゃね?」



「ベッドもあるし」と言って先輩は私の隣にドカッと座った。



「そういう問題じゃ……」


「ゴチャゴチャうるせぇんだよ。
なんか言ってもこの状況は変わんねぇだろうが」



ひ、ひぃ…!
先輩、めっちゃ怒ってる…!


そりゃあ、そうだよね。
こんなやつと一晩明かすって…。