【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「逃がすと思ってんの?」


にやり、と笑う先輩。
そんな悪い顔さえ、イケメンってどういうことですか…!?



「か、帰らなきゃ……」


「だから、帰さねぇって」


「帰さないって…」


「俺に可愛がられる準備はできてるよな」



そういえばなんかお昼休みにそんなこと言われたような気もする…けど…やっぱり覚えてないことにしておいた方が良さそう。



「出来てな…「出来てねぇなんて、受け付けてねぇけど」



なっ……裏の先輩は俺様過ぎて困る…!
密室で誰も来ないのをいいことに俺様な先輩が丸出しじゃん!
ていうか、王子様キャラのときも私の前では偉そうだけどね。



「このまま、あんなことや
こんなこと…しちゃおっか」


「へっ?」


「嘘だよ、バーカ」



『何騙されてんだよ』とでも言いたげな表情で私のことを見下ろす先輩に不覚にもドキンと胸が高鳴った。