【完】イジワルな彼の甘い溺愛








放課後になり、帰ろうとしたときに視界に先生に貼ってもらった絆創膏が目に入った。


そういえば…こまめに変えておいた方がいいって言ってたよね?
大変なことになる前に変えておこうっと。


そう思い、カバンの中を漁って一枚だけもらった絆創膏を探すけど全く見当たらない。


もしかして、なくしちゃった…?
こんなに探してないならそうしかありえない。


一枚、保健室にもらいに行くしかないなぁ。
急いで教室を出て保健室までダッシュで向かう。



「先生、絆創膏くださ……い」



ガラッと静かに扉を開けた先にいた人物が目に入ってきた瞬間、私は目を大きく見開いて固まった。


すると、その人はイジワルそうな笑顔を見せて笑った。
その笑顔にドクンと心臓が悪い意味で音を立てた。


だって、この笑顔は危険なことが起こる合図なんだよ……!



「僕に用があるんじゃないんだ?」


「な、なんで澤井先輩が…!」


「下の名前で呼んでって言ってんじゃん」


「だから、知らないって言ってるじゃん!
第一、先輩が小さい声で言うのが悪いんですから」



何回言わせるのよ…!と思っていれたのはこの言葉を言ってから10秒間だけ。
目の前にいる先輩の眉がピクピクと動いている。