【完】イジワルな彼の甘い溺愛




────…シャッ


そんなときにカーテンの音がして私だけがそちらを向くと、そこには恐ろしいほど怖い顔をした澤井先輩が立っていた。


お、恐ろしい……!
誰か、ヘルプミー!!SOS!!!


怖いよ…!
今日の夕食の時に何言われるか分からない!!


『人がしんどいっつってんのに
イチャイチャすんなよ、カス』


とか言われそう……ああ、想像しただけでも恐ろしくて背筋が凍りそうだ。



「ここにいると逆に
気分悪くなるんで教室戻ります」



怒った口調でそういい、抱きしめられてる私を鋭く睨んだと思ったら


『あとで俺も可愛がってやる』と耳元で先生に聞こえないような小さな声で囁かれて私のドキドキは最高潮みたい。


先生に抱きしめられながら先輩に耳元で囁かれるってどんな状況なの…と自分に問いかけたくなるのを抑えながら先輩が保健室から出ていくのを見ていた。



「せ、先生…!
私、お弁当食べないと!」



昼休みだったことをすっかりと忘れていた。
早くしないとお弁当が食べれなくて五時間目にお腹がなっちゃう。



「あぁ、そうだったね。
ごめん、ワガママ言ってしまって」



弱々しく名残惜しそうに先生はぎこちなく笑いながら言った。



「いえ!私でよければ
いつでも言ってください!」



先生が少しでも楽になれるのなら。
私が話し相手とか相談相手とかになれたらいいな。


私に出来るのはそれくらいだし。


すると、先生は一度目を大きく見開いてからすぐにニコッと笑って



「ありがとうございます、宮園さん」



と、言いながら私の頭を軽くポンポンっと撫でた。
それだけで赤くなりそうな顔を隠しながら「失礼します!」と言って保健室をあとにした。