【完】イジワルな彼の甘い溺愛




「あっ、すすすみません……!!」



急いで離れようとした瞬間、先生が私のことを強くギュッと抱きしめた。


えっ……先生?
戸惑いすぎて声さえ出ない。


この状況はなんですか…!?
なんで先生は私のことを抱きしめてるの!?



「俺の疲れてる体、少しだけでもいいから宮園さんが癒してよ」


「せ、先生…!?
私は何もできませんよ…!?」



癒すって何…!?
先生ってこんなタイプだったっけ?!


もう頭の仲は大パニックで抱きしめられて先生の体温を感じるせいか鼓動も速くなっていく。


それに、先生は忘れてるかもしれないけどここにはもう一人生徒がいるんだからね?
野獣ともいえる、澤井先輩が。


あんな人にこんなことしているのがバレたら先生クビになっちゃうかもよ!?なんて絶対大きな声では言えないけど。


言ったら、私の命が危ない。



「少しの間、こうしてるだけでいいから」



先生の弱々しい声を聞くとどうしても突き放すことなんてできなかった。


だって、先生だって色々と大変なんだと思うから。
イケメンだから生徒からモテだろうし、それをひがんだりするほかの先生もいるはずだろうし。


その中で生きていくのはきっと疲れる。
大人っていろいろと大変なんだなって両親を見てて思ったし。