「まあ、怪我したら
先生が見てあげるからいつでも保健室に来なさい」
「ありがとうございます!」
優しい岸先生に笑顔でお礼を言って麗奈ちゃんと再び教室まで歩く。
「岸先生って絶対に花蓮に気があると思うんだけど」
「えー!?何言ってるの!?」
麗奈ちゃんってば、何を言い出すかと思いきや…それだけはないよ!絶対に!
だって、相手は岸先生だよ?
こんな童顔でおチビな私のことなんて眼中に無いよ!
「だってさ、あたしも隣にいるのに挨拶するのは
いつも花蓮にだけ。それっておかしくない?」
確かに言われてみればそうだけど……
麗奈ちゃんが隣にいても先生が声をかけるのは私だけ。
まるで、麗奈ちゃんは見えていないかのように話す。
「でも……先生だよ?」
「先生だって、一人の男だからね」
うぅ…麗奈ちゃん、強し。
さっきから正論ばっかりで対抗できない。
「そうだけどさ…」
「花蓮はもっと警戒心持たなきゃ!危ないよー?」
「警戒心?」
「そうそう!誰にでもついていってたら大変なことになるからね!」
「なっ!私そんな軽くないよ!」
澤井先輩じゃないんだから…ってそんな事言ったら先輩に失礼か。
「まあ、花蓮は超純粋だもんね!」
なんて、笑っている麗奈ちゃん。
麗奈ちゃんいわく、彼女はたくさんの恋愛経験があるらしい。
恋愛経験がほとんどない私と比べたら麗奈ちゃんはきっとプロ級なんだろうな。



