「ねえねえ!
花蓮ちゃんって澤井先輩とどんな関係なの!?」



隣でその光景を見ていた麗奈ちゃんは興奮気味に私の肩を軽く叩きながら言う。



「どんなって…ただのごは…いや…その…先輩後輩だよ?」



危ない危ない…
口が滑って“ご飯作ってるだけ”と言いそうになった。


そんなこと言ってしまえば、私の人生は終わったも同然。


もう…私ったら危なっかしいなぁ〜…


あの日から先輩の家には毎日ご飯を作りに行っている。


ちなみにそこで私も夜ご飯を済ますから夕食の時は全然寂しさがないという利点もあるけど、先輩は私のことをすぐからかったりイジワルしてくるから大変。



「へぇ〜、澤井先輩って
すごいイケメンで優しいよね!」



あ、ここにも騙されている人がいた。と心の中で思ったのはヒミツ。


本当の先輩は全然優しくないし、俺様でイジワルな人だということを知っている人は数少ない。


つまりはみんな先輩の表の顔にまんまと騙されているんだよ。
なんて思っている私もあの現場を見てなきゃきっと騙されていたと思うけどね。