「べ、別に好きじゃないです…」
「まあ、どうせきみも
僕と付き合いたいんでしょ?」
ふっ、と鼻で笑い私を蔑むように見ているのにその瞳にはどこか甘さがあって目が逸らせない。
彼と見つめあっているだけなのにドクンドクンと鼓動が早鐘を打ち始める。
「俺の理性がぶっ飛ぶぐらい好きにさせられるなら付き合ってやってもいいけど?」
「えぇっ…!?」
私はあまりの驚きに自分の耳を疑った。
「な、何を言ってるんですか…!?」
理性がぶっ飛ぶぐらい好きにさせられるなら…!?
つ、付き合ってやってもいい…!?
意味のよくわからない言葉たちに私の頭の中は再び大混乱に陥る。
それに一人称が“僕”から“俺”に変わっているし…!
「だ、か、ら」
「付き合ってやってもいいって言ってんだよ」
ニヤリとイジワルな笑みを浮かべたと思った瞬間、グイッとその綺麗な顔を私の耳元に近づけてひどく甘い声で言った。
吐息が耳にかかり、私の耳はジンジンと熱を帯びていき、それは顔にも伝わり熱くなっていくのがわかる。



