《花蓮side》



「おはよう!花蓮!」


「おはよう、麗奈(れな)ちゃん!」



朝、登校してローファーから上靴に履き替えていると声をかけてきた女の子。


入学してから、先輩に目をつけられてから二週間ほどが経ち、私にもやっと友達ができた。


西本麗奈(にしもと)ちゃん。
ボブヘアーで元気で明るい麗奈ちゃんはずっと一人でいた私に話しかけてくれたのだ。


それから意気投合して今に至る。
麗奈ちゃんという友達ができてからは毎日が楽しい。


ただ、一つを除いては……



「おはよう、宮園さん」


「お、おはようございます」



先輩は相変わらず私に目をつけたままで、たまに廊下ですれ違うと今みたいに挨拶される。
そのせいで私はみんなからすごい冷たい目で見られている気がする。


話すのは滅多になくて、本当に挨拶を交わすだけ。