「下の名前で呼んで」
「いや、知らないんですけど…!」
「昨日教えたじゃん」
まあ、わざと小さな声で言ったから聞こえてなくて当然だろうけど。
悪いけど、俺はそんなに優しくないんでね。
「イジワル!!」
「そんなとこでうるさくしてないで、行くよ」
花蓮ちゃんを置いて歩き出せば
あとからちょこまかとついてきている花蓮ちゃん。
あー、なんか可愛い。
思わず手とか繋ぎたくなっちゃうぜ。
って、俺ってばありえねぇっつーの。
「何が食べたいですか?」
「んー、ポテトサラダ」
「ほんとに好きなんですね!」
なんて、俺の隣でニコニコしながら話す花蓮ちゃんを見ていると心が癒される。
結局、その日はカレーとポテトサラダを作ってもらい予想以上に美味くてビックリした。
ますます、他の男のところに行かせたくねぇな…なんて思い始めていることは気づかないフリした。



