「ええ…!?」



そんなことに驚いた私は彼と同じように目を丸くしていると、


目の前にいた彼がさっきまでは冷たい瞳をしていたのに急にスイッチが切り替わったように優しく微笑んで「ごめんね。ビックリさせちゃって」と言った。


やっぱりさっきのは別の人だったのかなぁ……?



「あ、いや……」


「もしかして…今の聞いちゃってた?」


「えっと…あの…その…聞くつもりとかは
全くなかったんですけど…!!ご、ごめんなさいっ!」




告白現場を盗み聞きされるのなんていい気分はしないだろうなぁ。
本当に私はタイミングが悪すぎるんだよ。


そんな自分に呆れてハァ…と心の中で盛大なため息を零す。



「そう…まあ、もちろん内緒にしといてくれるよね?」



嘘っぽい笑顔を浮かべて言う男の先輩。
内緒にするも何も私と先輩は関わりもないし、誰かにいうつもりもない。


それにまだ新しい友達だって作れていないのに彼が告白されていたことを伝える人さえいない。