「うん、ちょっとだけね。自惚れんなよ」
「う、自惚れません!
それにあなたの名前は…!?」
「仕方ない、今度こそ教えてやる。
ちょっと、耳こっちに寄せて」
そういうから恐る恐る彼に自分の耳を近づける。
私が耳を近づけたら大きな声とか出さないよね!?
いや、イジワルな先輩ならしかねない……
「……つや」
「え?なんて?」
声が小さすぎて全く聞こえなかったんだけど。
さっきまでは偉そうにベラベラと話してたくせに。
「聞こえなかったとかは知らねぇからな。
恨むならそのちっせぇ耳を恨むんだな。」
彼はそう言うと私から離れてスタスタと違うところへ行ってしまった。
はぁ…!?
絶対にわざと小さく言ったよね!!
ほんとにイジワルだ…!そして変態だ…!!



